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当社では創業以来、約18年間にわたり日本国内の大企業、中堅・中小企業を対象に新規事業や新商品創出、販売促進のサポートを行ってまいりました。
この活動を通して創業20年を超える優良企業に共通した、新規事業や新商品の成功を阻害する、ある組織的な傾向があることを発見しました。それを新型企業病「実行型組織シンドローム」と命名しました。
大企業病はよく知られた企業病です。大企業病はその名の通り主に大企業に見られる、保守的、消極的、否定的な企業体質であり、企業の活力を奪うものとして古くから知られてきました。
一方で「実行型組織シンドローム」は、会社の規模に関わらず、長く安定した経営状態が続いた優良企業が陥る新型企業病です。これまでの経験から創業20年を超え、主力事業に支えられ長く安定した経営が続いている優良企業こそがこの「実行型組織シンドローム」に陥りやすいと考えています。
ほとんどの会社は創業期、戦略型組織として誕生します。戦略型組織とは常にチャレンジする組織です。戦略型組織は試行錯誤を繰り返します。その過程では何度も失敗を繰り返すこともあります。小さな失敗を通して仮説検証が進むと、再現性の高い成功のシナリオを発見します。再現性の高い成功のシナリオを発見した会社は、ここで大きな分岐点に立ちます。それは事業を拡大するか、拡大しないかの分岐点です。通常は再現性の高い成功のシナリオが発見できても、戦略型組織のままでは事業は拡大しません。そこで必要なのは、戦略型組織から実行型組織への転換です。
実行型組織とは文字通り、発見した再現性の高い成功のシナリオを、ひたすら忠実に実行することを目的とした組織です。実行型組織では人を増やして生産量を上げ、人を増やして営業活動を拡大し、ひたすらに売上の拡大をめざします。
戦略型組織では「小さな失敗がいつか大きな成功に結び付く」という文化が形成されます。しかし、実行型組織は小さな失敗を嫌うようになります。「小さな失敗が大きな失敗に繋がる」という文化へと置き換わっていきます。
実行型組織では、実行すべきことが明確化されているので、改めてチームで何かを考えるよりも、個人の能力を高めたほうが、あらゆる面でうまく行くようになります。会議は決められたことが実行されているのか否かの報告会となります。きちんと実行さえすれば、会社はどんどん成長します。
この状態が安定して続くと実行型組織としての傾向が強まっていきます。主力事業が好調で何年も新規事業や新商品が創出されない状態が続くと「実行型組織シンドローム」に陥ります。そしていざ主力事業に翳りが見えてきた時には、新たな柱となる新規事業や新商品を創出するために必要不可欠な、戦略型組織としての考え方が完全に失われてしまっていることも少なくありません。
実行型組織シンドロームの治療方法は、実行型に傾き過ぎた企業体質を改めることです。
そこで重要なことは実行型組織と戦略型組織は、それぞれ役割が異なり、どちらかが正しいという訳ではないことを、経営者、従業員が正しく再認識することです。新たな柱となる新規事業や新商品の成功には戦略型組織の考え方が必要であることを理解し、改めて戦略型組織のノウハウを学ぶことと、人事評価などの仕組みの中に取り入れることです。
下記から新型企業病診断シートをダウンロードしてください。
実行型組織傾向が85点を超えている場合には「実行型組織シンドローム」に陥っている可能性があります。
診断シートをダウンロードしていただいた方を対象に実行型組織シンドロームから脱出するためのノウハウをご提供させていただきます。